NLB-プラトンの五元素宇宙論
⭐️プラトンの『ティマイオス』における五元素宇宙論
――幾何学が織りなす宇宙の秩序
古代ギリシアの哲学者プラトン(Plato, 紀元前427-347年頃)が著した
『ティマイオス(Timaeus)』は、
西洋思想史において最も影響力のある宇宙論的著作の一つです。
この対話篇において、プラトンは
独創的な幾何学的元素理論を展開しました。
それは、四元素説に正多面体という幾何学的形態を結びつけ、
さらに第五の立体を宇宙全体に対応させるという、
驚くべき理論的枠組みでした。
⭐️四元素説の継承と革新
プラトンは、当時のギリシア世界で広く受け入れられていた
エンペドクレス(Empedocles)の四元素説
――すなわち「火」「空気」「水」「土」という四つの基本要素が
万物を構成するという理論――
を継承しました。
しかし、プラトンはこれに革命的な幾何学的解釈を加えました。
『ティマイオス』において、
彼は各元素を特定の正多面体(プラトン立体)の形態と
結びつけたのです(1,2)。
この結びつきは以下の通りです:
– 「火(fire)」は正四面体(tetrahedron)
– 「空気(air)」は正八面体(octahedron)
– 「水(water)」は正二十面体(icosahedron)
– 「土(earth)」は正六面体、すなわち立方体(cube/hexahedron)
プラトンがこれらの対応関係を選んだ理由には、
幾何学的な合理性が存在します。
正四面体は最も鋭角で小さな立体であり、
最も鋭く貫通力のある「火」の性質と対応します。
正八面体は中間的な性質を持ち、
流動的な「空気」に適しています。
正二十面体は最も球に近い形状を持ち、
滑らかに流れる「水」の性質を表します。
正六面体(立方体)は最も安定した構造を持ち、
固く動かない「土」の基礎性を象徴します(3)。
⭐️三角形という根源的要素
プラトンの理論において、さらに驚くべきは、
これらの正多面体がより基本的な幾何学的単位
――直角三角形――から構成されていると考えた点です。
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