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NLB-水・酸素と水素2

水素という日本語は文字通り「水の素」、つまり「水を構成するもの」という意味ですね。

英語ではHydrogen も、ギリシア語で「水」を意味する「hydro」と、「生じる」という意味の「gennao」を組みあわせた造語です。

まさに、水素は地球上では酸素と結びついて多量に存在しています。

炭素と結びついて、様々な有機物の成分となります。宇宙にもっとも多い元素です。

宇宙の高真空中では、単独の原子として漂っていますが、

地球上では酸素と結びついて水として多量に存在しています。

水は電気分解することでまた水素と酸素に戻ります。

 

私たちの体内でも、多くの水素が電気分解で作られています。

大腸の微生物によるものです。

大腸にはEnterobacteraerogenes のような水素発生菌(E. aerogenes)がいて生物電気化学の条件下で、

代表的には酸素があるかないか、そこに糖(グリセロール)があるかないかで水素と電流を多く生み出します。

水素も電流も菌体内で生まれた還元力から生成されるものです。

 

大腸で生まれた水素は、そのほとんどがオナラとして放出されてしまいます。

オナラは吸い込んだ空気中の窒素(約60%)、水素(約20%)、二酸化炭素(約10%)のほか、

酸素やメタン、アンモニアなどでできています。

作られた水素はここでオナラとして放出される以外は、

体内に吸収されて血液循環に戻っていきます。

 

さて、水素水や発生水素が「活性酸素除去!」といってもてはやされていますね。

水素水は、分子状の水素を水に溶かし込んだもので、

水素原子が2個くっついて水素分子H2になっています。

水の電気分解で取り出したり、ボルタ電池でも知られているように希塩酸に亜鉛を入れることで発生します。

 

そもそも水素水が流行りだしたのには、

活性酸素の除去で「体の酸化を防ぎましょう」、というプロパガンダが横行しているせいです。

日本医大で試験管で培養したラットの神経細胞で活性酸素を水素が還元し“無毒化”したと騒がれました。

有名な「ネイチャー・メディスン」という医学誌などでも取り上げられ話題になりましたね。

15年近く前のことです。

ちょうどその頃から 私も日本での講義を始めた時期なのですが、

その頃本当によく水素のことを聞かれました。

特に日本では多くの研究がされていて、

水素分子はもっとも反応性が高く体の酸化スピードを高めると怖がられているヒドロキシラジカル

という活性酸素だけを選択的に還元し、細胞をはじめとするダメージから守ると言われます。

 

そもそも活性酸素の全てが悪者だと考えられていることも、

活性酸素とだけ水素が結合し還元するのだということも、あくまでも机上の空論で仮説です。

活性酸素にも種類があって、必要悪的な体を守る仕事もしています。

 

 

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