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Dr.HIRO

『プラスチックの雨と風〜リアルサイエンスシリーズ』

 

 

 

心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。

 

 

みなさんは、呼吸をするたびに、大量のプラスチックを吸い込んでいることに自覚があるでしょうか?

 

 

 

 

 

人体のプラスチック汚染の主な源は、プラスチック汚染された水と食物と考えられてきました。

 

 

 

 

 

 

 

2019年の米国の調査では、1日に平均して74,000–121,000個のマイクロプラスチックを体内に吸収していることが報告されています(Human Consumption of Microplastics. Environ Sci Technol. 2019 Jun 18;53(12):7068-7074)。

 

 

 

 

 

 

 

 

ポストコロナ時代では、廃棄されたマスク、シールド、手袋、ガウン、消毒のボトルなどから大量のナノおよびマイクロプラスチックが環境を汚染しています(Personal protective equipment and micro-nano plastics: A review of an unavoidable interrelation for a global well-being hazard. Hyg Environ Healh Adv. 2023 Jun;6:100055)。

 

 

 

 

 

 

したがって、現在ではさらにマイクロおよびナノプラスチックを大量に吸収しているでしょう。

 

 

 

 

これらのマイクロおよびナノプラスチックは、その素材そのものにエストロゲン作用(発ガン作用)、甲状腺機能低下作用があります。さらに、そのプラスチック粒子に付着する重金属などの環境毒も一緒に吸収することになります(A Detailed Review Study on Potential Effects of Microplastics and Additives of Concern on Human Health. Int J Environ Res Public Health. 2020 Feb; 17(4): 1212)。

 

 

 

 

 

 

最新の研究では、これらのプラスチック粒子が血液から脳へ移行することも明確に示されています(Polystyrene nanoplastics penetrate across the blood-brain barrier and induce activation of microglia in the brain of mice. Chemosphere. 2022 Jul;298:134261)(Micro- and Nanoplastics Breach the Blood-Brain Barrier (BBB): Biomolecular Corona’s Role Revealed. Nanomaterials (Basel). 2023 Apr 19;13(8):1404)。

 

 

 

 

 

 

 

さらに、大気中に浮遊するプラスチックが、水や食物を汚染するだけでなく、直接私たちの気管〜肺に吸い込まれていることが示されています(An Ill Wind? Growing Recognition of Airborne Nano- and Microplastic Exposures. Environ Health Perspect. 2023 Apr; 131(4): 042001)。

 

 

 

 

 

 

 

2022年の研究では、1日で土地1m3あたり、4,885個のマイクロプラスチックが検出されています(University of Auckland. 2022. Microplastics in Auckland’s Air Revealed. https://www.auckland.ac.nz/en/news/2022/12/12/microplastics-in-air.html)。

 

 

 

 

 

 

 

これは、大気中に浮遊するプラスチック粒子が雨によって土地に付着したことを意味しています。

 

 

 

 

 

いまや私たちはプラスチックの風や雨にさらされているのです。

 

 

 

 

もちろん、都会の方が田舎よりもプラスチック粒子の汚染は深刻ですが、現在では、エベレストの頂上から北極までプラスチックが検出される時代になりました。

 

 

 

 

ヒトが住んでいない森林地帯にもプラスチックは検出されます。

 

 

つまり、世界中のどこで生産された食物や水もプラスチック汚染が認められるということです。

 

 

 

今後は、プラスチック製品を使用しないことは当然のこととして、食物からいかにプラスチック粒子を取り除くかが緊急の課題となります。

 

 

 

 

もちろん、私たちの体に侵入したときには、それを速やかに排出するべく糖のエネルギー代謝を高めておくことは必須になります。

 

 

 

 

私たちの血液や尿だけでなく、呼気にもナノプラスチックがエクソソームに含まれて飛び交っているのは間違いありません。

 

 

 

 

 

 

昔、「息を吐くように嘘をいう」という政治家を的確に表現したプレーズがありましたが、息を吐くたびに、嘘だけでなく、ナノプラスチックも排出されることになるでしょう。

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