『<ガンが砂糖をエサにする>の根本的間違い〜リアルサイエンスシリーズ』
心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。
砂糖やハチミツに対しての洗脳は、コビットや流行の陰謀論の比ではありません。
糖のエネルギー代謝という基本的なリアルサイエンスを少し学んだ人でも、ガンに対しては砂糖が禁物であるという認識の人が多いのが現状です。
ガンは砂糖ではなく、脂肪(一部はグルタミンなどのアミノ酸)をエサ(エネルギー源)にして増殖します。
まずこの基本を押さえておきましょう。
次に、脂肪をエサにすると何が起こるでしょうか?
糖をエネルギー源として使用できなくなります。
これも基本的なファクトであり、「ランドルサイクル(Randle cycle)」と命名されています。
そうすると、細胞は「糖が欠乏している!」と感知します。
そこで糖を取り込もうと必死になりますが、糖はエネルギー源として使用できない(脂肪、現代ではプーファがブロック)ので、糖を無駄使いするハメになります。
糖をエネルギーとして利用できないので、糖からアミノ酸、遺伝子などの生体分子を作る方に別利用せざるを得なくなります(これを「ペントース・リン酸回路(PPP)」と呼びます)。
ガン細胞は、脂肪(プーファ)をエサにして増殖・転移していきますが、ある時点で脂肪(プーファ)さえも利用できなくなる臨界点が来ます。
これはミトコンドリアというエネルギー・熱および二酸化炭素産生所が潰れて機能しなくなった時点です。
この臨界点、つまりガンの末期になると、今度は糖を不完全燃焼させて、エネルギー源とする方式にスイッチします。
これを「解糖系(glycolysis)」と呼びますが、非常にエネルギー効率が低く、ガン細胞のサバイバルにとっては極めて不利な状況に追い込まれます。
ドイツの銀行家の御曹司であるワーバーグさんは、このガンの最終形態を見て、ガンが必死に砂糖を取り込む瀕死の状態を「ワーバーグ効果」と名付けただけに過ぎません。
ガンは、「ワーバーグ効果」と呼ばれる末期となる状態までは、脂肪(一部はアミノ酸)をエネルギー源としているのです。
以上から、糖質制限や断糖をしても、ガンがむしろ増殖・拡大していくのは、理に適っています。
なぜなら、血糖値が下がると、自分の体の脂肪やタンパク質を分解して血糖値をあげようとします(脂肪やタンパク質を分解してブドウ糖に変換する)。
そのときに血液中に出てきた脂肪(プーファ)やアミノ酸は、ガンを増殖・転移させるエサ(エネルギー源)になるからです。
血糖値を低下させることが、ガンの増殖・転移に輪をかけることになるのです。
むしろ、低脂肪食はガンを縮小させていきます(Dysregulated Lipid Synthesis by Oncogenic IDH1 Mutation Is a Targetable Synthetic Lethal Vulnerability. Cancer Discov (2023) 13 (2): 496–515.)(The Impact of Dietary Fat on Breast Cancer Incidence and Survival: A Systematic Review. Cureus. 2022 Oct; 14(10): e30003)(Association between low-fat diet and liver cancer risk in 98,455 participants: Results from a prospective study. Front Nutr. 2022; 9: 1013643)(Growth inhibitory effect of low fat diet on prostate cancer cells: results of a prospective, randomized dietary intervention trial in men with prostate cancer. J Urol. 2010 Jan;183(1):345-50)。
もし、ガンが砂糖をエサにして増殖するなら、糖質制限や断糖でガンは簡単に消滅するはずですから、砂糖摂取量が減少傾向にある現代に、ガンが現代社会の死因のトップに君臨し続けている事実を説明できないのではないでしょうか。
新作『奇跡のハチミツ自然療法』では、「砂糖悪玉論」をリアルサイエンスで徹底検証しています。
上記の「ガンが砂糖をエサにする」という“迷妄”についても複数のエビデンスを掲載して説明いますので、本が届きましたらご確認して頂ければと思います(^_−)−☆。