『糖質摂取増加と健康増進の関係〜歴史的観点から』
心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。
糖質がいかに人類の成長・発展に必須の栄養素であるかをお伝えしてきました。
現在、日本を最先端にして世界中で糖質オフや糖質制限のものが流行しています。
権力者は、この現状を上からニヤニヤしながら眺めていることでしょう。
さて、歴史的観点から、砂糖摂取量と健康の関係を見ていきましょう。
米国において、砂糖摂取量は、1863〜1930年の間に6倍に急上昇しています(USDA. 2004. Nutrient Content of the US Food Supply, 1909–2000. United States Department of Agriculture; Center for Nutrition Policy and Promotion, Home Economics Research Report 56, Washington DC.)(WTO. 1957. General Agreement on Tarfiffs and Trade: Cuban Tariff Reform. World Trade Organization, Table 10, p. 51–52.)。
特に1918〜1930年の間では、36.1%の砂糖摂取上昇率を認めています。
もし、砂糖が害悪であるならば、この砂糖摂取量急増の時期に、米国人の健康状態や寿命が悪化したはずです。
実際のところはどうなのでしょうか?
この砂糖摂取量急増の期間では、米国人の肥満や糖尿病(2型糖尿病)が極めて少なかっただけでなく、死亡率が低く、寿命も長くなったのです(Ogden, C. L., C. D. Fryar, M. D. Carroll, and K. M. Flegal. 2004. Mean body weight, height, and body mass index, United States 1960-2002. Advance Data 347:1–17.)。
1979年当時の米国公衆衛生総局の長官(Surgeon General)も、この時期の米国人について、「かつてないほどの健康状態の向上が認められた」としています(Koop, C. E. 1979. Healthy People: The Surgeon General’s Report on Health Promotion and Disease Prevention; A Report of the Surgeon General. U.S. Department of Health, Education, and Welfare; Public Health Service. Office of the Surgeon General, Washington, DC.)。
一方、糖質制限や「砂糖悪玉説」が流行している近年において、肥満、糖尿病、心臓血管疾患、自己免疫疾患や癌が増えています。
少し、視野を広げて、歴史的観点から基本的事実を眺めるだけでも、“情報(洗脳)”に惑わされずに、私たちの“知恵”が生まれてくるのではないでしょうか(^_−)−☆。