『糖質制限と新型コロナ〜リアルサイエンスシリーズ』
心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。
拙著『ウイルスは存在しない』『メタボリックスイッチ』等で、プーファ(遊離脂肪酸)の血液濃度が高いほど、新型コロナなる病態が重症化するエビデンスをご紹介しました。
権力者のナレーションに沿わないこのエビデンスに対して、今頃になってそれを打ち消す研究が報告されています。
その研究は、観察研究というエビデンスが最も低い部類(相関関係しか証明できない)のもので、プーファ(オメガ6あるいはオメガ3)の血液濃度が高いほど、重症の新型コロナ感染症に対して保護的に働く“相関関係”があったという報告です(Circulating polyunsaturated fatty acids and COVID-19: a prospective cohort study and Mendelian randomization analysis. medRxiv. 2022 Feb 8;2022.02.06.22270562. doi: 10.1101/2022.02.06.22270562)。
しかも、最も毒性の強いプーファであるDHAの血液濃度が高いほど、新型コロナに罹りにくくなるという“相関関係”(DHAが感染症を減らすという因果関係ではない)があったとしています。
さて、この研究が一見しただけでもフェイクであることが分かるのは、お決まりの「オメガ6/オメガ3」の比が高いほど、感染しやすくなるし、重症化しやすくなる“相関関係”もあったと報告していることです。
これは、オメガ6の血液濃度が高いほど重症化を防ぐ“相関関係”があるという自らの結果と矛盾していることに気づいていません。
観察研究というのは、バイアス(交絡因子)が強いために、今回のように矛盾した結果が出るエビデンスレベルの低い研究方法なのです。
同じ観察研究でも、プーファの血液濃度が高いほど、新型コロナなる病態による肺炎になりやすい、人工呼吸器につながりやすいという相関関係を示す研究も報告されています(High plasma concentration of non-esterified polyunsaturated fatty acids is a specific feature of severe COVID-19 pneumonia. Sci Rep. 2021 May 24;11(1):10824)。
拙著でお伝えしたように、観察研究よりもエビデンスの信頼性が高い研究(介入臨床試験)では、血液中のプーファが低いほど、新型コロナの重症化が低下する結果が出ています(Mortality From Coronavirus Disease 2019 Increases With Unsaturated Fat and May Be Reduced by Early Calcium and Albumin Supplementation. Gastroenterology. 2020 Sep;159(3):1015-1018.e4)(Lipotoxicity and Cytokine Storm in Severe Acute Pancreatitis and COVID-19. Gastroenterology. 2020 Sep;159(3):824-827)。
プーファ神話(特にオメガ神話)を維持するために、今回のように必死に事実を隠蔽するべく“芸者”論文(権力者から頂く研究資金つまり生活がかかっている(^_−)−☆)が出されてきますが、その中身はサイエンスとは程遠いものなのです。
糖質制限では、低血糖のために、脂肪を分解(リポリシス)して、脂肪をエネルギーとするメタボリック・スイッチが起きます。
リポリシスによって、みなさんの脂肪組織に蓄積しているプーファが血液に慢性的に溢れ出てきます。
つまり、糖質制限ではプーファの血液濃度が高くなるために、感染症なる病態が悪化するということです(^_−)−☆。