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Dr.HIRO

『大気汚染を可視化すると〜リアルサイエンスシリーズ』

 

 

心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。

 

 

 

 

数年前に中国の杭州に行った時に、大気中のヘイズ(hazes )が蔓延しているのを見て、かなりの環境汚染が深刻化していることが分かりました。

 

 

 

 

ちなみに、ヘイズとは、大気中の汚染物質である微小粒子状物質(PM)が光を散乱した様子が可視化されたものです。

 

 

 

 

よくこのヘイズの中で生きていられるものだと思いました。

 

 

 

 

さすがにヘイズになると臭いや息苦しさが出るので、外出はためらいます。

 

 

 

 

 

しかし、ヘイズとなって可視化できなくても、すでに私たちの生活空間を取り巻く大気は、かなりの汚染が進行しています。

 

 

 

 

 

もし、わたしたちが大気に浮遊する無数のゴミを可視化できれば、外出をためらい、窓をしめることになるでしょう。

 

 

 

 

 

とくに都市部や工場では、深刻な大気汚染物質が空気中に浮遊していることが、見事に可視化されている研究が発表されています(Light painting photography makes particulate matter air pollution visible. Commun Earth Environ 5, 294 (2024).)。

 

 

 

 

 

 

この研究では、「デジタルライトペインティング」という手法を使って、大気中の汚染物質(微小粒子状物質(PM)や重金属)を可視化しています。

 

 

 

 

 

PM濃度に応じてLEDが迅速に点滅するようにプログラムされています。

 

 


 

 

 

 

今回の研究では、イギリス、エチオピア、インドのさまざまな地域で撮影を行ないました。

 

 

 

イギリスのウェールズのポートタルボットにある製鉄工場で大気汚染を可視化すると、かなりの汚染が認められました(PM2.5の濃度が30–40μg  /m³. WHOのPM2.5の年間濃度推奨値の6〜8倍!)。

 

 

 

インドでは、大都市のデリーと丘陵地帯のパラムプールを比較すると、大気汚染では前者が後者の約12.5倍でした。

 

 

 

 

 

 

日本でも東京や大阪と地方を比べると、かなりの大気汚染の格差が認められるでしょう。

 

 

 

 

 

世界保健機関(WHO)は、世界人口の99%が汚染された空気を吸っており、毎年およそ700万人の早死を引き起こしていると推定しています(Healthier air, healthier planet. Nat. Geosci. 16, 929 https://doi.org/10.1038/s41561-023-01326-9 (2023).)。

 

 

 

 

 

 

微小粒子状物質(PM)は、人間の罹患率と死亡率に最も大きな影響を与える大気汚染物質であり、心臓病や脳卒中、がんなどの病気の原因となっています(The lancet commission on pollution and health. Lancet. 391, 462–512 (2018).)。

 

 

 

また、PMは身体的健康だけでなく、精神的および認知的健康にも影響を及ぼすことが示されています(Mitigating the impact of air pollution on dementia and brain health: setting the policy agenda. Environ. Res. 215, 114362 (2022).)。

 

 

 

大気汚染の多くは、個人では解決できない世界規模の問題です。

 

 

 

 

工場などからの廃棄のない場所でも、大気汚染が進行しているのはなぜでしょうか?

 

 

 

 

私たちの許可もなく大気を汚染する行動は、完全な非道徳であり、それだけで十分に人権侵害であるという当たり前の感覚を取り戻しましょう😀。

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