『受動喫煙と肺がん〜リアルサイエンスシリーズ』
心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。
先日、あるホテルに滞在したときに、禁煙の部屋に入った瞬間、タバコの臭いが漂っていました。
部屋を変えてもらったものの、その部屋も洗面所にはタバコの臭いが漂っていました。
日本では、禁煙場所での喫煙に対する罰則が弱いことと、施設側が見逃している風潮が強いため、なかなか禁煙が進みません。
2020年4月から改正健康増進法の施行に伴って住宅や旅館・ホテルの客室を除くすべての施設や公共交通機関が原則として屋内禁煙という受動喫煙対策が強化されました。
最近になって、ようやく新幹線も喫煙室を廃止する方針を固めたようです。
しかし、まだまだ日本ではその意識は低いように映ります。
タバコを吸わない人が受動喫煙(passive smoking, secondhand smoke )に晒されると、肺がん、乳がんや慢性閉塞性肺疾患のリスクが高くなるだけでなく、あらゆる病因による死亡リスクが高まります(Exposure to Secondhand Smoke and Risk of Cancer in Never Smokers: A Meta-Analysis of Epidemiologic Studies. Int J Environ Res Public Health. 2018 Sep; 15(9): 1981)(Secondhand Smoke Exposure in Childhood and Adulthood in Relation to Adult Mortality Among Never Smokers. Am J Prev Med. 2018 Sep;55(3):345-352)(Secondhand smoke increases the risk of developing chronic obstructive pulmonary disease. Sci Rep. 2024 Mar 29;14(1):7481)。
最新の日本の研究で、喫煙しない人が受動喫煙にさらされると、喫煙者とは異なる遺伝子異常を併発することで肺がんになることが報告されました(Passive Smoking-Induced Mutagenesis as a Promoter of Lung Carcinogenesis . J Thorac Oncol. 2024 Feb 19:S1556-0864(24)00074-1)。
受動喫煙では、肺に慢性炎症が起こりガン化していきますが、そのガンは不均一(ガン細胞の性質がバラバラ)なものになります。
ガン組織において、ガン細胞の性質がバラバラだと、抗がん剤や放射線が効きにくいことから、現代医学の「受動喫煙による肺がん」は、治療が難しくなるとしています。
喫煙者は、自分のストレス解消のために、他人に犠牲を強いることになります。
副流煙の問題は、私たちが過剰なストレスを抱え込まざるを得ない社会システムそのものが限界に来ていることを暗示していると思います😃。