『便秘になるとなぜ顔色が悪くなるのか?』
便秘は糖のエネルギー代謝低下(=甲状腺機能低下)の一つの指標であることを
拙著『慢性病は現代食から』でも詳しくお伝えしました。
便秘になると気分が悪くなるのはもちろんのことですが、顔色や肌色が悪くなります。
慢性便秘では、皮膚の色が濃い紫色の斑点が出始めます。
これを医学的には「サイアノーシス(cyanosis)」と呼んでいます。
なぜこの様に顔色や肌の色が悪くなるのでしょうか?
便秘になると、大腸で繁殖したバクテリアが小腸にまで拡大し、
いわゆる小腸腸内細菌異常増殖症(SIBO) (こちらの記事も)という状態になります。
この状態での最大の問題は栄養素の吸収障害よりも、
バクテリアの内毒素(エンドトキシン)の血液流入にあります。
このエンドトキシンはマイナスチャージを持っているため、プラスの極性に引きつけられます。
特に血液中に入ると、プラスの鉄に強く引きつけられます。
血液中の鉄には、病的な状態ではフリーの鉄がありますが、
健康人では、大半は赤血球のヘモグロビンに鉄が格納されています。
このヘモグロビン(の鉄)にエンドトキシンが結合して、
ヘモグロビン中の鉄を酸化してしまうのです(J Endotoxin Res. 2000;6(4):313-9)。
ヘモグロビン中の鉄は、Fe2+(ferrous)ですが、
これにエンドトキシンが結合することで、酸化が起こり、Fe3(Ferric)へと変化します。
こうなると、もはや酸素はヘモグロビンと結合できなくなるのです。
肺からいくら酸素を入れても、貧血でもないのに酸欠になるのです。
そうすると血液がどす黒くなり、皮膚表面では紫色〜土色に変色してくるのです。
これと同じ作用を持つのが、過去記事でお伝えした一酸化窒素などの窒素化合物です。
ちなみに、便秘の人ではシミも増えてきます。
その理由はリアルサイエンスで考えてみてください(^_−)−☆。