『アルコールだけでは肝臓障害になりにくい理由〜リアルサイエンスシリーズ』
心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。
日本の居酒屋の前を通りすぎるだけで、アルコール、タバコと揚げ物(プーファの過酸化脂質)の充満した臭いでやられてしまいます。
海外にも飲み屋(バー)はありますが、日本の居酒屋のような多種類の食事メニューはありません。
日本の居酒屋は戦後日本の独特の文化なのかも知れません。
私の青春時代だったバブルの時期には、居酒屋はサラリーマンの憩いの場でした。
さて、居酒屋の食事といえば、アルコールとプーファ満載(魚、揚げ物、炒め物)が特徴です。
このアルコールとプーファのコンビは、肝臓にダブルパンチを与えます。
過去にラットにアルコールとともに、MCTオイル、パームオイル、コーンオイル、フィッシュオイルを別々に与えた実験結果が報告されています(Increased lipid peroxidation and impaired antioxidant enzyme function is associated with pathological liver injury in experimental alcoholic liver disease in rats fed diets high in corn oil and fish oil. Hepatology. 1998 May;27(5):1317-23)。
アルコールとプーファ(コーンオイル、フィッシュオイル)とのコンビネーションの場合のみ、肝臓に激しい炎症および壊死(細胞の炎症による死滅)が発生しました。さらに、細胞内の抗酸化酵素がプーファによって激減しています。
この効果は、コーンオイル(オメガ6)よりもフィッシュオイル(オメガ3)により強くでました。
過酸化脂質発生もフィッシュオイルが最大で、コーンオイルがその後に続いています。
一方、アルコールとMCTオイルのコンビでは、肝臓に変化は認められませんでした。抗酸化酵素も減少が認められませんでした。
以上から、アルコールはプーファ、とくにフィッシュオイルのコンビのときのみ、肝臓に深刻なダメージを与えることが分かります。
拙著『オメガ3神話の真実』にも詳述しましたが、オメガ3が炎症を鎮めるというのは、実際の食事ではあり得ません。
なぜなら、フィッシュオイルのようなオメガ3は、すぐに腐敗(酸化)して、過酸化脂質(アルデヒド)に変化するからです。
アルコールも肝臓で代謝されて過酸化脂質の一種であるアセトアルデヒドができます。
したがって、アルコールとプーファはいずれも過酸化脂質を大量に体内に発生させて、肝臓だけでなく、全身の臓器を蝕んでいくのです。
日本の居酒屋のメニューをせめてプーファフリーにして欲しいものです(^_−)−☆。