『なぜ運動で痩せないのか?〜エクササイズの落とし穴』
心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。
運動をするとカロリーが消費される分、摂取カロリーが同じならば痩せていくはずです。
ところが、私たちが定期的にランニングやジムに通っても、なかなか痩せることはありません。
なぜでしょうか?
その理由のひとつを示唆する研究が報告されています(Compensatory Responses to Exercise Training As Barriers to Weight Loss: Changes in Energy Intake and Non-exercise Physical Activity. Curr Nutr Rep. 2023 Jun;12(2):327-337)。
定期的に運動をしている人は、その運動でエネルギーを使い果たします。
その分を補うほど摂取カロリーが増えることで、痩せないのではありません(実際はそれほど摂取カロリーは増えていない)。
むしろ運動をした後の残りの1日の身体活動が減ることで、定期的な運動で消費されたカロリー(運動エネルギー消費、physical activity energy expenditure)が相殺されるというものです。
つまり、全体でみると、定期的に運動をしていても、1日の消費カロリー(total energy expenditure (TEE))が摂取カロリーを下回ることになるということです。
私は、筋トレやヨガを長時間やっていた経験からも理解できます。
長時間のトレーニングを定期的に行っていると、疲労が蓄積して、運動後は体を動かすことが少なくなります(運動後は疲労のため、体を動かすことが億劫になっている)。
トレーニングのあとに長時間カウチに座って喋ったり、ネットばかりしたりしている人を見かけますが、それだと消費カロリーが抑えられます。
実際に1日の身体活動が減ると、エクササイズのプログラムで想定されるよりも22%の消費カロリーが減少することが分かっています。
いかに日常の掃除、料理、歩行などの身体活動が大切かがよく分かりますね。
むしろ、ジムに行くよりも、掃除や料理あるいは歩行といった1日の身体活動をもっと活発にやった方が、痩身効果が生まれるかも知れません😃。