『「甘い罠」から抜け出すために<果糖の過剰摂取の真実>〜リアルサイエンスシリーズ』
心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。
「自然の果糖も人工合成した果糖も同じ果糖」なんて思っていませんか?その”甘い”幻想が、実は現代病の引き金になっているかもしれません。
果糖悪玉説、真相に迫る
自然の甘味料の果糖ではなく、人工合成した超加工食品である果糖が肥満や糖尿病、さらには喘息やガンにまで関係しているという事実をご存知ですか?
特に注目されるのが、飲料や加工食品に使用される遺伝子組み換えの人工甘味料、高果糖コーンシロップ(HFCS)。その過剰摂取がいかに私たちの体に毒を及ぼしているのか、最新の研究から明らかになっています(40 years of adding more fructose to high fructose corn syrup than is safe, through the lens of malabsorption and altered gut health-gateways to chronic disease. Nutr J. 2024 Feb 2;23(1):16.)。
HFCSの摂取量は1999年のピーク時から減少しているものの、HFCSに由来する1人当たりの余剰果糖(過剰な遊離果糖)の平均摂取量は小児の許容量(5g)を超え続け、果糖不耐症に関連する成人許容量(10g)に近づきつつあります。
そうです。果糖過剰と叫ばれているのは、フルーツや自然の甘味料ではなく、コンビニやスーパーで安価に購入することのできるHFCS入りの各種の飲料の摂取量増加が原因だったのです!
腸から始まる健康破壊の連鎖
HFCSに含まれる果糖は、私たちの腸内環境に大きな影響を与えます。腸内細菌が過剰に増殖し、エンドトキシン血症を引き起こすことで、肥満、インシュリン抵抗性、そして喘息までもが発症するリスクが高まるのです。特に子どもたちはその影響を最も受けやすいとされています。あなたの子どもが日常的に飲んでいるジュースが、その健康をむしばんでいるかもしれません。
問題の核心は人工の遺伝子組み換え甘味料
HFCSの危険性はその糖分比率にあります。多くの人気飲料では、果糖がブドウ糖の1.5~2倍も含まれており、この量は「一般に安全」とされる基準をはるかに超えています。さらに、濃縮還元ジュース(特にリンゴジュース)にHFCSが添加された場合、果糖はブドウ糖の3倍以上になることも。知らず知らずのうちに、私たちは果糖を過剰摂取しているのです。
自然の甘味料 vs 人工甘味料
「果糖が多いから果物も危険なのでは?」と思うかもしれません。しかし、自然の甘味料であるフルーツやハチミツ、ショ糖(砂糖)では、果糖過剰になることはありません。これらの甘味では、果糖とブドウ糖が1:1の割合です。
たとえ、果糖がブドウ糖より多い南国のマンゴーやスイカ、リンゴなどを適量食べても健康を害することはありません。むしろ、それらには体に必要な栄養素がたっぷり含まれています。
一方、コンビニやスーパーで手軽に買える飲料や加工飲料・加工食品はどうでしょうか?そこには「人工的に作られた甘さ」が潜んでいます。見た目は同じジュースでも、天然の果物の甘さと人工甘味料の甘さはまったく異なるものなのです。
あなたが日常的に摂取しているものは?
私たちが普段手に取る「安価なジュース」や「甘い飲み物」の裏には、遺伝子組み換えコーンを原料にしたHFCS(コーンシロップ)が使われています。これらが、現代病の隠れた原因となっているのです。果糖過剰が問題になるのは、あくまでも人工的に作られたHFCSによるものだということを覚えておきましょう。
健康を蝕む「隠れた甘さ」
HFCSは単なる甘味料ではありません。研究によれば、インシュリン抵抗性や肥満、喘息だけでなく、ガンを促進する作用までも認められています。
この危険な物質が、私たちの日常にどれだけ浸透しているかを知ることが、健康を守る第一歩です。詳細なデータと解説は拙著『奇跡のハチミツ自然治療』に収録されていますので、ぜひご一読ください。
「甘い罠」から抜け出すために
本当に健康的な甘さは何なのか、それを選ぶのは私たち自身です。自然のフルーツやハチミツのような本物の甘味料を選ぶことで、果糖過剰のリスクを回避できます。
安価で手軽な選択肢には、しばしば代償が伴います。あなたと家族の健康を守るために、どんな甘さを選びますか?