『なぜ現代人はイライラしているのか?〜リアルサイエンスシリーズ』
心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。
「はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る」
日本は、この短歌が詠まれた明治時代から現代に至るまで、まさに懲罰的徴税によっていわゆる人間らしい豊かな生活を送ることは困難なままです。
この重たい事実は、財務省や国税の人間たちが一番よく知っているはずです。
もちろん、他の先進国も重税なので、いわゆる富裕層は、あらゆる手段を用いて税金逃れをしています。
生活が苦しく、時間的にも余裕がない人生が続けば、誰でもイライラしたり、抑うつになったりします。
リアルサイエンスの観点からは、このイライラ(外向型)や抑うつ症状(内向型)は、過去記事でもお伝えした通り、脳内を含めた体内のエストロゲン、セロトニン過剰を示しています。
今回、このエビデンスを補強する最新の研究が報告されています。
避妊ピルを服用した人は、ストレスが高まるという結果です(Adrenocorticotropic hormone secretion in response to anticipatory stress and venepuncture: The role of menstrual phase and oral contraceptive use. Behavioural Brain Research, 2023; 452: 114550)。
今回の研究では、避妊ピルすなわち、エストロゲンがなぜストレスを増強させるのかについて、リアルサイエンスの視点で説明しています。
エストロゲンが、ストレスを増強させて、脳を興奮させるのは何故でしょうか?
エストロゲンはストレスホルモンであり、同じストレスホルモンのコルチゾールの分泌を高めます(基礎医学『糖のエネルギー代謝とホルモン』参照)。
それ以外にも、エストロゲンの重要な作用について言及しています。
エストロゲンの主要な作用は、抗プロゲステロンです。
プロゲステロンは、妊娠ホルモンとも呼ばれますが、不妊に最も効果的な物質です。
そのプロゲステロンは、脳内で代謝されて、「アロプレグネノロン(allopregnanolone)」となります。
この「アロプレグネノロン」に
強力な脳の神経細胞をリラックスさせる作用(すなわち、糖のエネルギー代謝を高める作用)があるのです。
過去記事でもご紹介しましたが、製薬会社でさえ、この「アロプレグネノロン」の強力な抗うつ作用に注目し、製薬化しています(うつ病、躁病や統合失調のいずれも脳の過剰興奮、過剰ストレスが原因です)。
つまり、避妊用ピルによってエストロゲン濃度が高まると、脳をリラックスさせる「アロプレグネノロン」が欠乏するため、持続的に脳の興奮状態になるのです。
エストロゲンが増加すると、セロトニンも増加するため、さらに脳の興奮状態が続きます(基礎医学『糖のエネルギー代謝とセロトニン』参照)。
現代社会は、♨️権力者が創造した社会的・経済的苦境および質の悪い食事によって脳内も含めた全身のエストロゲン・セロトニン過剰に余儀なくされるため、イライラと抑うつが混在した一触即発の「シックネス・フィールド(sickness field)」になっているのです。