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NLB-エーテルの歴史2〜光、電気、磁場

19世紀に入ると、ニュートンの光の粒子説(corpuscular theory of light)は、

トーマス・ヤングの古典的なスリット実験などによって

否定されるようになっていました(On the theory of light and colours (The 1801 Bakerian Lecture). Philosophical Transactions of the Royal Society of London 92 12–48 (1802))(A History of the Theories of Aether and Electricity—From the Age of Descartes to the Close of the Nineteenth Century. Edmund T. Whittaker publ. Forgotten Books 2018105-110)。

光の屈折、反射、回折現象などを粒子説では説明できないからです。

ヤングは、電気ショックにおいて瞬時に電流が伝えわることも、

光が瞬時に伝わることと同じく、

エーテルの存在が不可欠だと考えました。

デンマークの物理学者エルステッド(Christian Ørsted)は、

1820年に、電流が流れる周りに磁力が発生することを発見しました。

このエルステッドの実験をもとに、

フランスの物理学者アンペア(André-Marie Ampère)は、

磁針の動く方向が電流の流れている方向に関係することを発見しました。

これが「アンペアの右ねじの法則」と呼ばれるものです。

エルステッドとアンペアは、

電気が磁場に変化することを証明したのですが、

その逆である磁場から電気を作ることができませんでした。

1831年、マイケル・ファラデー(Michael Faraday)は、

エルステッドとアンペアができなかった磁場から

電気を作ることを実験的に証明しました。

彼は、環状(トロイド状)の鉄心(鉄の輪)に2つのコイルを巻き、

一方のコイル(1次コイル:左側)を電池に、

もう一方のコイル(2次コイル:右側)を検流計に接続しました。

彼が左の1次コイルの電池のスイッチをつなぐと、

その瞬間に右の2次コイルに取り付けた検流計の針が触れて振動し、

しばらくすると元の位置に戻りました。

また、電池のスイッチを切った瞬間にも、検流計の針が振れ、

やはり、しばらくすると元の位置に戻りました(On the theory of light and colours (The 1801 Bakerian Lecture). Philosophical Transactions of the Royal Society of London 92 12–48 (1802))。

通電しないままの状態や、通電したままの状態では、

二次コイルに電流は流れませんが、

通電した瞬間と遮断した瞬間に電流が流れます。

 

 

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