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NLB-超低周波領域の電場、磁場と生命体〜続編

 

日本国内の商用電源電圧は、

一般住宅・オフィス用が主に100ボルト、工業用が200ボルトです。

実は、これほどの低い電圧は、先進国はもとより世界全体で見てもほとんどなく、

採用するのは日本と北朝鮮くらいです。

 

欧州はおおむね220240ボルトです。

北米は、住宅用は115ボルトや120ボルト、

オフィスやデータセンターは230ボルトや208ボルトが一般的になります。

 

W(電力・仕事率)=V(電圧)×A(電流)×力率

 

日本の電圧は原則100ボルトです。

さらに、住宅やオフィスではタップやコンセントといった配線設備のほとんどに

15アンペアという定格電流が設けられています(このため、上限は1500ワット(100ボルト×15アンペア))。

 

日本や北朝鮮は、世界と比べて電圧が低いので、電場は低いのですが、

磁場が高くなります。

この磁場は電流をアースしても遮断できませんので、電化製品を使用しないときは、

コネクターのスイッチを切っておくことが大切です(ベストはコンセントから抜いておく)。

あとは、なるべく電流が流れているところから距離をとることです。

 

「静磁場(static magnetic fields (SMF))」とは、

直流の電流によって発生する周波数をもたない磁場です。

高圧直流電線(high-voltage direct current (HVDC) power lines)、

電気自動車、スピーカー、マイク(microphone)やMRI検査機器などが

静磁場を発生させる代表的なものです。

最近では、MRIという磁場を発生する検査機械が日本でも増設されています。

このMRI機器は、数テスラという非常に強い磁場を発生させます

(長期暴露で発がんと関係するマイクロテスラの1,000,000倍以上の磁束密度)(Evaluation of occupational exposure in magnetic resonance sites. Radiol Med. 2014;119(3): 208–213)(Occupational exposure levels of static magnetic field during routine MRI examination in 3T MR system. Bioelectromagnetics. 2014;35(1): 70–75)。

最新の7 T MRIでは、2,890 mTの非常に高磁束力の暴露が記録されています(Evaluation of exposure to (ultra) high static magnetic fields during activities around human MRI scanners. Magn Reson Mater Phy (MAGMA). 2017;30(3): 255–264)。

これらのMRI機器の検査に関わるスタッフには、

頭痛、めまい、嘔気、頭の中で音がする(head ringing)、

 眼内閃光(magnetophosphenes)、集中力の低下、筋肉痛、不眠、

舌を刺すような味、金属味(the perception of metallic taste)などの症状が出ることが報告されています(Occupational exposure of healthcare and research staff to static magnetic stray fields from 1.5-7 Tesla MRI scanners is associated with reporting of transient symptoms. Occup Environ Med. 2014 Jun; 71(6):423-9)(Does Exposure to Static Magnetic Fields Generated by Magnetic Resonance Imaging Scanners Raise Safety Problems for Personnel? J Biomed Phys Eng. 2018 Sep; 8(3): 333–336)。

 

これらの症状は一般的に電磁場の非熱作用(Non-thermal effects)と言います。

低周波領域を含めたすべての電磁場が持っている作用です。

中〜高周波になると、これに熱作用が加わります。

 

 

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