NLB-水の研究と歴史〜水と細胞その二
細胞質は、タンパク質、ミネラルイオン、およびほとんどの水が
強く結合しています。
このコロイド状(タンパク質、脂質、核酸なども含む)のユニットは、
コアセルベート(coacervate)とも呼ばれています。
このコアセルベーションは、
タンパク質の十分に強い極性と電荷、
および細胞質内の電解質含有量に依存しています。
ちなみに、1936年にこのコアセルベーションが
生命の始まりであったという仮説を唱えたのが、
ロシアのオパーリン(A.I. Oparin)です(Oparin and the origin of life: A historical reassessment of the heterotrophic theory. J. Mol. Evol. 201683:214–222)。
細胞は、コアセルベーションの結果、
細胞質はちょうど液晶(liquid-crystallinity)のようになっています(On the cytoskeleton and soft glassy rheology. Journal of Biomechanics. 200841:1467–1478)(Cytoarchitecture and physical properties of cytoplasm: volume viscosity diffusion intracellular surface area. Int Rev Cytol. 1999192:189–221)(Structure within eukaryotic cytoplasm and its relationship to glycolytic metabolism. Cell Biochemistry and Function. 199614:237–248)。
コロイドの塊である細胞では、
脂質で構成された二重の細胞膜という複雑な構造を必要としません。
このトローシンのモデルは、ギルバート・リン(Gilbert N. Ling)によって
洗練された理論「結合誘導理論(Association-Induction Theory)」へと
発展しました(基礎医学『糖のエネルギー代謝とミネラル』参照)(A historically significant study that at once disproves the membrane (pump) theory and confirms that nano-protoplasm is the ultimate physical basis of life – yet so simple and low-cost that it could easily be repeated in many high school biology classrooms worldwide. Physiol. Chem. Phys. Med. NMR. 200840(2):89–113)。
この理論では、糖のエネルギー代謝で産生される細胞内ATPが
線維状のタンパク質に吸着し、
細胞骨格を担う構造タンパク質(cytoskeletal protein)に形を変えます。
つまり、糖のエネルギー代謝次第で
細胞内の構造が変化するということです(The dynamics of intracellular water constrains glycolytic oscillations in Saccharomyces cerevisiae. Sci Rep. 2017 Nov 247(1):16250)。
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