NLB-電場、磁場が生命体に与えるメカニズム
超低周波領域(0–300 Hz)での電磁場でも長期暴露によって、
ガンなどの発生が明らかになりました。
それでは、超低周波領域(0–300 Hz)の電磁場が生命体に与えるメカニズムとは何でしょうか?
現在までの研究で明らかになっていることは、細胞を過剰刺激することです。
具体的には、細胞へのカルシウムの過剰流入を引き起こし、
いわゆる脱分極状態(depolarization)にします(Electromagnetic effects – From cell biology to medicine. Prog Histochem Cytochem. 2009; 43(4):177-264)。
これが脳神経や筋肉の過剰刺激症状を引き起こします。
125-mT およびその1/10の12.5-mTの中等度の静磁場でも、
神経細胞においてカルシウム流入、
つまり興奮作用をもたらすことが報告されています(static magnetic field)(Effects of moderate static magnetic fields on the voltage-gated sodium and calcium channel currents in trigeminal ganglion neurons. Electromagn Biol Med. 2015;34(4):285-92)。
近年では、交流電場(tumor treating fields (TTFields))を使用して
ガン細胞を選択的に死滅させるという方法が
米国食品医薬品局(FDA) でも認可されています。
この治療でも用いる交流電場は、中間周波の領域である100–400 kHzです(Mitotic Spindle Disruption by Alternating Electric Fields Leads to Improper Chromosome Segregation and Mitotic Catastrophe in Cancer Cells. Sci. Rep. 2016;5:18046)(Disruption of cancer cell replication by alternating electric fields. Cancer Res. 2004 May 1; 64(9):3288-95)(Effect of Tumor-Treating Fields Plus Maintenance Temozolomide vs Maintenance Temozolomide Alone on Survival in Patients With Glioblastoma: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2017 Dec 19; 318(23):2306-2316)。
ガン細胞はすでに過剰刺激状態(脱分極)にあるため、
正常細胞よりも交流電場の影響(さらにガン細胞内にカルシウムが流入し、
強い興奮状態になる)を受けやすいとされています(Resting potential, oncogene-induced tumorigenesis, and metastasis: The bioelectric basis of cancerin vivo. Phys. Biol. 2012;9:065002)(Association between Cell Membrane Potential and Breast Cancer. Tumor Biol. 1994;15:82–89)(Membrane potential and cancer progression. Front. Physiol. 2013;4:185)(The membrane potential of the human cancer and related cells. I. Gan. 1957;48:353–354)。
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