NLB-慢性的な皮膚の傷と電気刺激
創傷部位がその傷の発生とともに電流の流れを増幅させ
電場を起こすことで治癒反応を進めることについて具体的に見てまいりましょう。
創傷部位は直ちに傷を塞いで蓋をしますが、
継続的な炎症への曝露は組織タンパク質組成の構造を変化させ、
線維性の組織の形成つまり萎縮や癒着につながります。
線維芽細胞は損傷した部位で急速な細胞増殖を起こして、
肉芽組織というものを形成します。これがケロイド化です。
保護力の発動でもあり免疫の活性で発生することですが、
これらの変化は、長期にわたる慢性炎症が構造を萎縮
そして異形成部位を増殖させてしまうのです。
タンパク質部位は生体電流の通り道でもあるため、
こういった萎縮は創傷部位へのイオン輸送の妨害に他なりません。
また、炎症因子に曝露されると、皮膚の線維芽細胞と骨格の筋細胞が
炎症に対して反対の反応を示すことが発見されています。
すなわち、線維芽細胞は、慢性炎症が続けば創傷部位の修復のため
繊維芽細胞の増殖を増幅させますが、
逆に骨格筋細胞は、細胞増殖を減少させるので骨はもろくなっていきます。
これは、上で取り上げた萎縮したままの褥瘡や、
炎症を伴う皮膚疾患で代表的なアトピー性皮膚炎などで
炎症が長期的に持続している患者の骨の状態が脆弱化することでよく知られています。
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