NLB-エーテルの歴史
紀元前400年には、トラキア(バルカン半島南東地域)の
デモクリトス(Democritus)やレウキッポス(Leucippus)によって、
宇宙は原子と空間の2つからなるとする「原子論(atomism)」が展開されました。
原子(atom)と彼らが呼んだものは、
それ以上分割不可能な単位の粒子で、
それが合わさって目に見える物質を構成すると考えました。
その一方で、その物質を囲む空間は、
まさに空っぽで何もない(nothingness)と考えたのです。
彼らが考える無の空間は、英語で「void」や「vacuum」と表現されています。
このデモクリトスの「原子論」は、17世紀のデカルトの登場によって強化され、
それ以降の理論物理学(相対性理論、量子力学)の基礎となっています。
紀元前350年(2000年以上前)に
ギリシャの哲学者アリストテレス(Aristotle)は、
すでに空間(empty space)などは存在しないことを指摘していました(On the Heavens. In: The Complete Works of Aris- totle. Revised Oxford Translation (Vol. 1) ed. Jona- thon Barnes. Princeton University Press 1984)。
空間とは、真空のスペースという意味です。
彼は、空間は「エーテル(aether)」と呼ばれる目に見えない、
かつ感知できない媒介で満たされていると考えていました。
そして、このエーテルこそが、
宇宙のすべての物質や運動などを含めた
秩序の根源と見抜いていたのです(The Cambridge Companion to Aristotle. ed. Jona- thon Barnes Cambridge Univ. Press 1995)。
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