アトピー性皮膚炎
病因
アトピー性皮膚炎は、多因子疾患と言われて、現代医学でも特定の病因が分かっていません。
しかし、体内のプーファの脂質過酸化反応とアトピーは深い関係があります。
アトピーでは、プーファ(特にオメガ3の過酸化脂質)であるMDAの血液中および尿中の濃度が上昇していることが報告されています(Arch Dermatol Res. 2015 Sep; 307(7):617-23)(J Clin Diagn Res. 2013 Dec; 7(12):2683-5)(J Eur Acad Dermatol Venereol. 2009 Dec; 23(12):1405-8)。
また呼気中のプーファ(オメガ6)の代謝産物(leukotriene B4 (LTB4), 8-isoprostane)もアトピーで上昇しています(Br J Dermatol. 2012 Apr;166(4):839-43)。
過酸化脂質(アルデヒド)が結合して変性した遺伝子(8-OHdG)もアトピーでは増加しています(Metabolism. 2003 Dec; 52(12):1601-5)(Life Sci. 2001 Jun 1; 69(2):223-8)(Br J Dermatol. 1998 Jun; 138(6):1033-5)。
実際に動物実験では、脂質過酸化反応を抑制する物質で、アトピーの症状が軽減することが報告されています(Scientific Reports volume 10, Article number: 8417 (2020))。
これらの研究結果が示唆するのは、プーファ過剰による糖のエネルギー代謝低下によって、
肝臓・腎臓機能が低下した場合に、排出器官である皮膚からプーファ、過酸化脂質やその結合物(Advanced lipid peroxidation end products, ALEs)の排出による皮膚の激しい炎症がアトピーの本態であるということです。
近年では、肥満細胞が環境因子によって過剰刺激されることによってヒスタミンなどの炎症性物質が放出されることが大きな原因になっているとしています(Curr Allergy Asthma Rep. 2021 Jan 4;21(1):3)。
この肥満細胞の過剰刺激は、甲状腺機能低下と関連しています。甲状腺への慢性炎症で産生された抗体が肥満細胞を刺激するからです(Front Cell Neurosci. 2019; 13: 79)。
また、アトピーには甲状腺炎や多発性硬化症などの自己免疫疾患を併発することが多いことから(J Eur Acad Dermatol Venereol. 2014 Aug;28(8):1057-60)(J Biol Regul Homeost Agents. 2012 Jan-Mar;26(1 Suppl):S9-14.)、
糖のエネルギー代謝低下が病態にあることが分かります。
皮膚のバリア機能低下や微生物の変化などは、すべてこの結果起こることで、アトピー発症の原因ではありません。
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